かねよ

なぜ、具たくさんの豚汁には「麦みそ」が合うのか?

 ここ南国鹿児島の地で甘い味噌醤油を真っ先に作り始めた、初代当主「横山栄蔵」。
 100年前より代々受け継がれてきたお話です。

 一年中温暖な「南国かごしま」では、
昔から海で採れた新鮮な魚介類や、豚肉や鶏肉などのお肉。
その他にも野菜をたっぷり入れた
「具だくさんの味噌汁」がとても好まれていました。
そのたくさんの具材から出た「旨味」をさらに引き立て、おいしくする味噌。
それが南国鹿児島で昔から造られてきた短期熟成の“麦みそ”でした。

 なぜ「麦みそ」しかも「短期熟成の麦みそ」が合うのか?
ご存じのようにお味噌は「大豆」と「塩」、そして「米または麦」から出来ています。
この量がどれくらいの入っているのかが、ポイントなのです。
米または麦は「でんぷん質」となります。これが「甘みの素」となるのです。

 つまり麦や、米の量が多ければ多いほど、
    「甘みが強い」という事になります。

 一般的な米みそと南国鹿児島の“麦味噌”を比べてみると、麦味噌の方がなんと『4倍』もの量が多く使われているのです。
 だから普通のお味噌汁にしても、麦の量がとっても多いため、麦味噌の方が、でんぷん質の『甘味』がよく出てくるのです。

 つまり でんぷん質の量が『4倍も多い』

 さらに豚汁の具からでた『旨味』が
この麦味噌の豊富なでんぷん質の『甘味』と交わりあう為、
具だくさんの豚汁には『麦味噌』があうのです。

だから 『甘くて、具によく絡む』のです!

 また、お味噌は保存食という点からもわかるように普通は6ヶ月以上寝かせて作ります。
しかし、この“麦味噌”は
約1ヶ月という短期熟成で仕上がります。

 その為、口の奥に残る苦味や酸味が少なく色の白いお味噌が出来上がります。
やわらかく蒸し上げた大豆のうまさと、
麦から出たでんぷん質の甘みが具の旨味をさらに引き立てます。

だから具だくさんの豚汁には『短期熟成』の麦みそが合うのです。

 さらに風味豊かに仕上げるため『麹』にも一工夫。
お味噌汁の中に魚などの魚介類や、お肉を入れると、かすかにその生臭さが残ってしまいます。

 普通麹は、低温でじっくり36時間かけて作ります。
これが一般的なお味噌の“三日麹”です。

※36時間でも三日麹といいます。

 それに対して南鹿児島の麹は、24時間という短時間に、高温で一気に作り上げます。そうすることによって、発熱量が多く、元気で、ぷ~んと香り立つにおいの強い麹が出来上がります。

 これが全国でも珍しい、二日麹仕込製法です。

 つまり2日麹で作ることによって、
  麦のぷ~んと香るにおいの強いお味噌が出来上がるのです。
その麹の香りが、『豚汁』や『アラ汁』など、たくさんの肉や野菜が入った具の臭みを取り、季節の野菜などをいれても、風味豊かに仕上げるのです。

 だから二日麹麦みそは豚汁に合うのです。

 

 それは、香りの強い二日麹を使い、短期熟成で甘味を一気に引き出した
麦みその『甘味』と『香り』が、コクのある豚汁には最適だからなのです。