100年- なぜ麦味噌だけを作り続けてきたのか?

「どうしたら、子どもがもっとご飯をおいしく食べてくれるのか?」この事がきっかけとなり、始まった“かねよの麦味噌造り”。もう、100年が経ちました。

 戦後、初代当主 横山栄蔵が、漁師をしていたかたわら始めた
味噌造り。最初は訳もわからず、ただがむしゃらに造る毎日でした。でも、お客さまとの会話をくり返すうちに気付いた主婦特有の悩み。

「どうしたら、子どもがもっとご飯をおいしく食べてくれるのか?」

 この事がきっかけとなり、「お味噌汁や煮物がおいしく出来る味噌造り」が始まったのでした。

 当時から、全国の80%は「米味噌」という中で、毎日のお味噌汁や煮物料理にも幅広く使ってもらえる味噌。
 これを目指し「麦味噌」の可能性を求め続ける日々が続きました。

 具材を豊富に入れても、お料理が風味豊かに仕上がる、香りと味の良い味噌造り。

 地域によっては、お味噌は保存食という点からも、6ヵ月以上寝かせて造るところがあります。

 しかし、栄蔵は考えました。
 ここ鹿児島で海に囲まれて毎日潮風に当たっている人の味覚には、塩味が強くなく、逆に麦のもつ甘みを活かした麦味噌が絶対に合う、と。

 そして、そのための製造技術として、魚介類が豊富な鹿児島では魚料理の時の生臭さを消す為に若くて元気な麦麹が不可欠であること。また、そのために30日間という短期間で一気に仕上げる味噌造りが必要であること。

 この2つの考えに行き着いたのでした。

 そして、100年経った現在・・・

 当時、初代当主 横山栄蔵が試行錯誤を重ねた成果は、しっかりと現在に受け継がれ、この地に根付いています。

 カネヨの「麦麹生味噌やまぶき」を、これから初めて口にされる方は、まずは、ぜひ「具だくさんの豚汁」でお試しください。

 麦のもつ独特の柔らかい香りが、具材同士の持ち味をしっかりまとめて、お料理全体が風味豊かに仕上がっている事を、実感いただけると思います。